一度は読んでおかねばと思いながら、なかなか読めなかった『日本沈没』をついに読みました。
もし日本が沈没することになったら…というワンアイディアを突き詰めたフィクションなんだけれども、人の振る舞いや社会の動揺など、さもありなんと思わせる描写に感心しました。
大きな地震を引き起こす現象には大きく二つありまして、一つはプレートの引き込みによる反動、もう一つは活断層の動きによるもの。前者は2011年の東日本大震災、後者は1995年の阪神淡路大震災になるわけです。
こういった地球の動きをきちんと学問として説明するのが「地学」であります。SF小説である『日本沈没』を読んだ後に、ブルーバックスの『富士山噴火と南海トラフ』を読んでお勉強です。
2030年代に太平洋沖でプレート起源の地震が起こるだろうと、そして地震が富士山噴火の引き金になるかもしれないということが、科学的にきちんと書かれております。
火山が噴火すると、溶岩流や火砕流、火山灰など様々な現象が生じ、人間社会に大きな被害が生じるわけですが、それらをわかりやすく解説してありとてもためになります。
最後にもう一冊。黒人の人種差別問題を捉え、アメリカでベストセラーとなった『地下鉄道』。
2017年に出た話題作でずっと読みたいと思いつつ手が出ませんでしたが、文庫化されたので買いました。
いやはや、これが評判通りのすごい小説でした。個人的には『火星の人』と並んで、ここ10年の最高傑作ではないでしょうか。
小説の舞台は、南北戦争以前の1830年代のアメリカ。南部から逃亡する黒人奴隷の少女が主人公です。奴隷という人生から懸命に、それこそ命を懸けて逃げる…と説明しようとしましたが、うまくできません。
https://www.bookbang.jp/review/article/547124
↑こちらの解説がとても的確です。
アメリカという国は、それこそコロンブスが発見してから現代に至るまで、ずっとこの南北の断絶が根底にあり、そんななかトランプ氏にさらにかき回され…という歴史をきちんと知らないといけないと思い、まんが「世界の歴史」を読んで勉強し直しております。